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スウェーデン木工留学記
カペラゴーデン編
2002/12/11
第12回 一年生の最初の課題”燭台(ロウソク立て)”
前回の生の木からコーサと言う器を作る話はたくさんの方から反響がありました。まだまだ未熟な文章ではありますが、これからも皆さんに興味を持っていただけるようなことを書けたらいいなと思います。
1年生への最初の大きな課題が発表されました。課題名は"燭台"。教会で使えるような床から立つ大きなロウソク立てを作るという物でした。
条件として材料の木はパイン(松)、機械はバンドソー(帯鋸)とボール盤(穴掘り機)のみで残りは全て手道具だけで作ること。教会に合う神聖な雰囲気を持つ物。
課題の目的としては手での製作、材料、構成、スケッチそしてプレゼンテーション等を通して実用的な知識を身につけるというものです。
スケジュールは以下のようなものでした。
8月29日 | 課題名の発表 |
9月 4日 | 各々のアイデア発表 |
10月 6日 | プロトタイプ(試作)の発表 |
11月19日 | 街の教会での発表 |
カペラゴーデンでの一年目最初の課題は機械を使わないで製作することが条件として科せられます。僕の一つ前の年はカール・マルムステンの家具が課題になっていたようです。今回は自分でデザインを考え製作します。機械を使えないことで平面を出すことや、直角を作ることを手道具だけで要するに鉋(かんな)で行わねばいけないことになります。特に広い平面が必要な場合、しっかりした道具の使い方の知識を持っていないと直線は正しくても対角線はゆがんでいたりしてしまいます。どの角度に定規を置いても直線が出ていれば本当の平面と言える状態です。
穴を掘る場合も荒堀りはボール盤でできますが、その後の過程では鑿(のみ)で仕上げることになります。この2つの道具は木工をやっていく為には必ず必要な物です。
簡単な例ですが、このように手で物をつくる事を要求されるのが最初の課題です。
通常、カペラゴーデンのでの製作には締め切りは無いのですが教会での発表の日取りから完成しないわけにはいきません。普段の製作の中では、何かを作っていても、いつまでに仕上げなければいけないという制限はありません。製作している本人が納得がいったその時が仕上がりという事のようです。実際、他の課題の時に”いつが締め切りなの?”と聞いたら”それはキミが決めることだ”と言われました。とことん突き詰めることも出来るでしょうし、どんどん次のことをやるということも出来るのがこの学校の良いところであると思います。
週明けの月曜日までにそれぞれがアイデアを考えることになりました。この年の一年生は全部で7人でした。様々な出身の者たちで、建築を勉強していた者や椅子張りの勉強をしていたことのある者などなど木工経験の多い者からそうではないが他のいろいろな知識を持っている者たちが混ざっています。
アイデア発表は原寸大の図と10分の1の小さな模型を使ってすることと言われました。僕の場合はまずは課題についてあるプリントを読むことから始まりました。もちろんスウェーデン語で、全然読めませんでした。課題名など簡単に英語で説明してもらってはいましたが、辞書とにらめっこしながら少しずつ内容を確認していきました。
木工留学記
ストックホルム編
カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。
本になりました!
スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0
当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!