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スウェーデン木工留学記
カペラゴーデン編
2002/12/14
第13回 ロウソク立てのアイデア発表
朝一番から図書館での発表が始まりました。一人ずつ原寸図と10分の1 の模型を見せながら意見交換をしました。僕は座っている順番から最後にまわってきました。それまでは他のみんなの発表中はスウェーデン語は全く分からないので図を見ているだけで、頭の中では何を言おうとグルグルしていました。英語でどう言うんだろう?とか。
僕の発表では図が中心になりました。下の方から棒が伸びてきて3本のロウソクを支えるデザインです。教会の入り口の人々を迎える所に置きたいと言いました。良い印象を持ってもらえたのもつかの間、予想していたのとは全く異なる質問が連発しました。
スケッチです
- 教会の入り口に置くとたくさんの人の目に最初にとまり、最後にも見てもられるというのは分かったけど、教会はどんな入り口なの?
- キミの日本の家の近くにある教会の床は木なの?石なの?それとも他の素材?
- その教会は石造りなの?木造なの?
- その教会の絵を描いて
僕が考えていたのはどうやって作るの?とかなぜそのようなデザインを考えたのか?などだったのですが、いきなりの質問が、
という感じで実際のロウソク立てとは違う事をたくさん聞かれました。要するに置く場所のことをどのように考えているかということのようです。僕の家族は皆、カトリック信者なので教会の雰囲気などを答えられましたが、そうでなかったらさらに困ったでしょう。
その他に話したことは、3本のロウソクにしたのはヨーロッパ旅行の時にドイツの教会で見た壁に取り付けるロウソクからインスピレーションを受けて考えたこと。実際はキリスト教の教えの中にある言葉の中からも3本は良い本数だったようで他の何人かも3本のロウソク立てを考えていました。三位一体の神だったかな?
表面は削りだした後に滑らかにしたいことも言うと、下は荒い状態から上に行くに従い、滑らかになっていく方が良いかもと言われました。手で作っている感じも分かるしねと。
この点はみんな同意でした。土の中から手の様な物が出てきてロウソクを支えているように見えるよねとの評価でした。課題の条件のひとつ"神聖な雰囲気"にはうまく合ってくれたようです。
今後はプロトタイプの製作なのですが原寸大で作るように言われ、5分の1くらいの大きさだろうと思っていた僕はちょっと驚きました。実際の本物と同じような作り方をして製作法、バランスなどを見ることになります。
木工留学記
ストックホルム編
カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。
本になりました!
スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0
当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!