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スウェーデン木工留学記
ストックホルム編
2005.01.12
第28回 久しぶりの日本へ
新年おめでとうございます。須藤 生です。現在、冬休みを利用して日本へ一時帰国中です。
ご飯が美味しくて感激。懸案だったカメラも新調して、息子を撮りまくっています(笑)。
前回も途中まで紹介した、収納棚製作の経過報告です。約200個を商品として販売し、ミラノ旅行の資金とする計画です。材料取りをした後、部材の幅を稼ぐために複数の板を接着しました。 |
収納棚の正面となる湾曲した板です。最前面になる突き板(薄い板、ベニヤ)だけを用意した後、外注しました。指定した寸法、曲率通りにできあがってきましたが、木の性質でもある、ねじれの力などが掛かり、全てが均等とは言えない状態でした。いずれにせよ、本体との接着時に調整できると思われます。 |
家具製作科の学生が中心になって製作を進めていますが、表面仕上げなどの単純作業の時には家具デザイン科の学生たちに任せました。 |
数が千個を超えるので外注した、キーホルダーになる木の部品。オイルを塗って乾燥中。 |
真鍮(しんちゅう)の部品を穴に通して、リングを取り付けるとキーホルダーが完成します。 |
これは僕が担当していた作業のひとつ。側面の加工。同じ作業が淡々と続くので、集中力を切らして怪我をしないように注意しました。 |
こちらは違う部位。極力、同じようになるように加工をするのですが、木がねじれていたりもするので苦労します。 |
製作過程も終盤になり、接着作業が始まりました。これまでの様に一日中、同じ作業を繰り返しますが、形が見え始めて来たのでやや気楽です。 |
僕が担当していた接着作業。締め具を何百回と締めるので手の皮がもうボロボロ。この後の作業も撮影していたのですが、油断してパソコンへ保存する前に消去してしまいました… |
作業完了までもう1日くらいの所で、僕は一足早く冬休み。妻と息子が少しでも疲れないようにと思い、飛行機の乗り継ぎ先であるコペンハーゲンに一泊する事にしました。この写真はまだ新しいメトロ(地下鉄)の駅。 |
コペンハーゲンには、これまでに何度も訪れていましたが、初めて陶磁器で有名なロイヤル・コペンハーゲンの工場がある場所へ行ってみました。 |
ロイヤル・コペンハーゲンだけではなく、同じグループのブランドでもあるジョージ・ジェンセン等のオフィスや工房もあるようです。普段は見学も出来ますが、僕たちは正面にあるファクトリーショップへ直行しました。 |
かなり広い店内に、主に2級品を中心としたリーズナブルな商品が販売されています。2級品とはいえ、どこがダメなのかはそう簡単には判別できないので、深くこだわらなければこれで充分だと思います。 |
少しですがジョージ・ジェンセンも並んでいました。こちらは2級品ではなく、製造停止された古いモデルが中心でした。 |
宿泊したコペンハーゲン空港併設のホテル。ビジネス客が多く、静かなホテルでした。一階にはヤコブセンのスワン、エッグチェアがたくさん置かれていて、デンマークの玄関口のホテルという印象を強く感じました。しかも、客室のテレビなどAV機器はバング アンド オルフセン製でした。専用のリモコンはかなり重いです(笑)。 |
エッグチェアは僕の息子には最高に楽しい遊び場だったようです。クルクル回るのとつかまり立ちが出来るので延々と遊んでいました。 |
待望の日本への帰国。が、父(パイプオルガンを製作しています)の仕事場での手伝いが待っていました。ちょうど年末のこの時期にドイツからオルガンのパイプが大量に到着した為、開梱および仕分け作業が必要でした。数メートルある大きなパイプから20センチほどの小さなパイプまで、約千本を音色ごとに音階順に整理しました。 |
この程度の大きさのパイプは問題ありませんが、人の背丈よりも高く太いパイプだと寝かしておくと自重で潰れてしまう(パイプの素材は柔らかい)ので、立てて保管しなければなりません。荷下ろし時もそうですが、箱から出したら即座に対処しないといけないので、人手が必要になるのです。 |
今回の僕の一カ月はあまり新鮮味がありませんでしたが、皆さんはいかがでしたか?
それでは、今年もよろしくお願い致します。
木工留学記
ストックホルム編
カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。
本になりました!
スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0
当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!