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スウェーデン木工留学記
ストックホルム編
2007.04.04
第53回 SASホテル、マルムステンの椅子等々
こんにちは!当初の予定では日本での個展が終わってから、1月末にスウェーデンへ戻るはずだったのですが、予定を変更して、もう一カ月間、日本に滞在していました。今回はスウェーデンへ戻るまでの色々な出来事を紹介します。
個展が終了した後に、スウェーデンからカール マルムステンの椅子が4脚入った、大きな荷物が届きました。当初はこの椅子達を個展会場に並べる予定だったのですが、荷物の到着が遅すぎです(笑) |
今回は接着と塗装前の未完成品として、部材だけを特別注文(通常は出来ません)。これだけでも、輸送代をかなり抑え、構造を確認することも出来ます。もちろん、購入費用も割安にしてもらえました。 |
バラバラなので、当然ながら組み上げないとなりませ |
各パーツを確認し、前脚と後脚を区別することから始めました。 |
接着部。穴の大きさに合うように加工されているだけではなく、かしめてあります。こうすることで、接着時に膨らみ、さらに密着固定されるようになります。 |
非常に高い精度で加工されていて、驚くことに、接着剤無しでも十分に使用できるほどの強度が出る構造になっていました。実際に接着剤無しで、一脚を組み上げました。 |
背もたれのスポークを取り付け。 |
4脚中、2脚は肘掛け付きのモデルでしたので、アームを取り付けないとなりません。 |
肘掛け支えの棒は楔(くさび)で固定するようになっています。 |
楔を打ち込んで、接着し、鋸や鑿(のみ)を使用して仕上げます。もちろん、接着して、それで終わりにしても、強度的には全く問題ありませんが、最後までちゃんと加工します。 |
背もたれを接着。 |
美しい後ろ姿。 |
世の中にはたくさんのウィンザーチェアーがありますが、私はこの椅子はその中でも特に、シンプルで美しいフォルムを持っていると思います。木の座面というと、長く座っているとお尻が痛くなるのではないかと思いますが、この椅子は不思議と座り心地が良いんです。スウェーデンで3年ほど、自宅で使っていましたが、全く苦になりませんでした。 |
3ヶ月半ぶりに日本を出発し、デンマークの首都コペンハーゲンへ到着しました。15家族連れでの移動でしたので、コペンハーゲンで一泊することにしました。宿泊したのはラディソンSASロイヤルホテル。 |
デザイン好きの皆さんならば、名前を聞いたことがあると思います。このホテルのためにデザインされた、アルネ ヤコブセンの家具が非常に有名です。 |
チェックインカウンターの上にも、デンマークを代表する照明のPHランプが使われています。 |
5、6年前に改装をし、開業時のような部屋ではなくなりましたが、なかなか居心地の良い室内です。 |
家族4人で泊まるために、広い部屋を選びました。コペンハーゲン中央駅が目の前に見えています。 |
日本からの長旅の後、一休憩。 |
時差ボケ(夕方4時でも、日本時間は夜中の12時)でかなり眠く、到着後すぐに寝ることに。この点は、一泊することにして正解でした。 |
最上階にあるレストランの待合室。お茶だけのつもりで行ったら、食事をする人のみということで、中には入れませんでした。 |
一階にあるバー。日本では見かけない、背の高いセブンチェアーが並んでいます。 |
テーブル席の椅子はスワンチェアー。デンマークデザイン好きの方には、堪らない空間です。 |
朝食は一階のレストランで。全ての椅子がセブンチェアー。 |
子供椅子はノルウェー製のトリップトラップ。私が知っている限りでは、最高の子供椅子です。 |
バイキング形式の朝食ですが、ちゃんと北欧らしい食材も並んでいます。右端の酢漬けのニシンなどがお勧めです。でも、味が濃いので、あまり多く取らない方が良いかもしれません。 |
多種のパンが揃っています。 |
一階にあるバー。日本では見かけない、背の高いセブンチェアーが並んでいます。 |
自宅のあるストックホルムへの移動はコペンハーゲンからの空路を選びました。やっぱり1時間半ほどという速さは魅力です。搭乗時間より随分と早く着いたので、家族専用スペースへ。 |
日本では考えられないほど広いスペースに、様々な遊び道具が用意されているので、子供達を退屈させずにゆっくりすることが出来ます。 |
子供椅子はノルウェー製のトリップトラップ。私が知っている限りでは、最高の子供椅子です。 |
初めて見るオモチャがたくさんあるので、息子はとても楽しそうでした。 |
思わず欲しくなってしまった、BRIOブリオのセット。 |
空港内は随分と混雑していたのですが、この場所は落ち着けるので、ちょっとした穴場です。 |
ストックホルム空港に到着後、街への移動手段はいくつかありますが、一番速いのは、このアーランダ エクスプレス。 |
プラットホーム上にある自動券売機。カードも使えますので、現地通貨を持っていない旅行者でも安心です。 |
黄色い車両が特徴です。 |
改装したばかりの内装。スウェーデンに到着した旅行者が最初に目にする物ですし、デザインにも力を入れているようです。 |
出発時、日本はすでに春の陽気でしたが、ストックホルムにはまだ雪景色が残っていました。この後、家族揃って風邪をひくことに…。では、また次回! |
木工留学記
ストックホルム編
カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。
本になりました!
スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0
当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!