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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2007.07.11

第56回 ストックホルム卒業展示会巡り (後編)

前回に引き続き、ストックホルム卒業展示会の模様をお伝えいたします

続いて、その高度なハンドワークを感じさせてくれる、テキスタイル作品を見にHVスコーランへ。この学校は風光明媚なユールゴーデン島にあります。有名なスカンセン屋外美術館のすぐ近くです。


非常に手間暇がかかっている事が容易に想像できる作品が並んでいます。


題材は聖書からでしょうか。


装身具。密に織り込まれています。


外を見ている息子。作品展を一緒に見に行きました。


銅線を編み込んだ上に、桜の木があしらわれています。豊かな自然環境の中、素敵な作品を作り出していると感じました。


5校目はストックホルムの街中にあるベックマンス。


この学校は広告 / グラフィックデザイン、ファッション、フォルム(造形デザイン)の3コースを有しています。


洗練されたグラフィック作品です。


スウェーデン保健局(正確な名称は違いますが)と組んだキャンペーンの広告を担当。こういうのを学生にさせるというのは面白いですね。


様々な素材を用いています。


なんと棺桶までありました。でも、可愛いハートの留め具(通常は釘を打ち付ける)なんて良いですね。


すぐにでも美術館などで使えそうなベンチがありました。


色の組み合わせが素敵です。ゴロゴロするのに良さそう。


色々な意匠の椅子。


僕が気に入った戸棚。綺麗な金属のフレームにガラスがはまっています。そしてガラスの間に挟まっているのは、なんと金髪。異彩を放っていました。


小さなガラスの器。一輪だけ花を育てるのも面白そう。


陶器のランプ。弱い光が陶器を通して輝きます。


日本では知られていない小さな学校ですが、多くの見学者が訪れていました。


そしてこの学校の一番の魅力はファッション科。毎年、展示会初日はファッションショー(会場も街中の素晴らしい場所)で開幕し、大きな注目を集めます。


校内での作品の服を着ているのはマネキン人形になるので、ちょっと見劣りしますが、それでも素敵な服だと分かると思います。


ストックホルムのトップスクールたちの展示会をざっとご覧頂きましたが、いかがでしたか? スウェーデンではどの学校でも、作品作りだけではなく、企業などへの資材提供依頼、スポンサー募集、会場設営から宣伝まで学生達が自主的に行います。これらの経験は、卒業後にも大いに役立ちますし、コンタクト先の確保にも繋がります。作品展示会とはいえ、勉強としての多くの要素が含まれている事が良く分かりますね。

木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!