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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2007.09.19

第58回 ストックホルム名所巡り
アスプルンド建築

こんにちは! スウェーデンの須藤です。ストックホルムは夏もほぼ終わり、秋の気配がすぐそこにまで迫っています。朝夕の冷え込みも始まっています。さて、今回は前回に引き続き、ストックホルムの観光名所を紹介します。

建築を志す方ならば、スウェーデンの建築家アスプルンドの名前を聞いたことがあると思います。このストックホルムには彼の代表作が残っています。アスプルンド建築については様々な所で紹介されていますので、詳しいことは割愛しますが、代わりに景色や環境の素晴らしさなどをご覧ください。

まずはSkogskyrkogarden森の墓地といわれる公営墓地に行ってみました。地下鉄Skogskyrkogarden駅を下車後、ちょっと歩くとすぐに辿り着きます。


入り口を入ってすぐにそびえ立つのが、ここのシンボルである十字架。コンクリートで出来ていて、かなり巨大です。


ここの見どころは建築だけではなく、環境その物でしょう。家族を連れて訪れたのですが、天気の良い日には最高に素敵な場所です。


水草たちも短い夏を謳歌しているのでしょうか。


ここは、ストックホルム市民の教会での葬式から埋葬までを行えるようになっていて、周辺にはお墓が広がっています。巨大な共同墓地と言えるでしょう。


人の気配がほとんどなく、とても静かです。


軽いランチを済ませたあと、子供達の運動を兼ねて、散歩に出かけてみました。


先ほど座っていた池の反対側にある丘を上り下りする子供達。


左奥の建物が教会です。真ん中付近には屋外で葬儀をする為と思われる、祭壇がありました。


木々がそびえ立つ中に入ってみると、墓石が並んでいました。


森の墓地という名前その物の場所ですね。


夏には、このように草花の絨毯で敷き詰められます。冬には逆に雪で覆われるそうです。チャンスがあれば見に行きたいですが、寒そうですね(笑)。


実はこの場所はユネスコの世界文化遺産となっています。実際の敷地は遙かに広く、見どころはまだまだありそうです。残念ながら今回は子供連れだったので、あまり遠くまでは歩けませんでした。


ここの良さは世界遺産とはいえ、商売っ気が全くない点でしょう。アスプルンドが設計したそのままの美しさ(おそらく)が保たれています。


周辺環境と見事に調和した素晴らしい場所ではないでしょうか。


そして、もう一つのアスプルンド建築が、ストックホルムの街中にあります。ストックホルム市立図書館です。


周辺は住宅やビルが並んでいますが、図書館横にはちょっとした公園もあります。


早速、館内へ入ってみましょう。


石造りの重厚な入り口から階段を登ると、円筒状の天井が見えてきました。


色とりどりの本の背表紙が、美しい柄となって見えています。


照明が少ないことにも驚かされます。天井の窓から入った光が白い天井に反射し、館内に柔らかい光を注いでいます。


その他の照明は本棚の周辺に集中しています。いつも感じますが、北欧の人は光の扱い方が本当に上手だと思います。


休憩したくなったら、外の芝生へ出かけてみましょう。


これまでは知らなかったのですが、高台に登る道がある事が分かりました。


6、7階くらいの高さまで登ってきました


ベンチのある木陰が見えてくると、円筒状の特徴ある建物が見えてきました。


ここからだと市立図書館の全体を眺めることが出来ます。


二つのアスプルンド建築をご覧頂きましたが、いかがでしたか。どちらもまだまだ紹介していない見どころがたくさんありますので、皆さんも是非訪れて、ご自分の目で確かめてみてくださいね。


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メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

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日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

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 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!