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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2008.04.02

第62回 異文化旅行 エメリー編。北欧から日本へ(後編)

前回に引き続き、日本へやって来たエメリーのリポートです。

ノルウェーから来たエメリーについて軽く紹介します。
1、スウェーデン最高峰のマルムステン校をトップで卒業。
2、最高に厳しいマルムステン校での職人試験を、減点無しの満点評価で合格。
3、あらゆる職種を含めた中から、その年最高の職人(一人だけ)に選ばれる。

要するに超優秀なのです。しかもまだ25歳。参っちゃいます。

八幡宮へやって来ました。


大銀杏の前で。樹齢1000年くらいあるのかな?


日本人にとっては不思議じゃないんだろうけど、エメリーには何だか全く分かりませんでした。そりゃあ、分かりませんね(笑)。


こういう場所にも、やっぱり異文化を感じるみたい。


太鼓橋。僕が小さい頃は渡ることが出来たと思うんだけど、今は立ち入れないんですね。


八幡様(鶴岡八幡宮のことです)を見た後に若宮大路へ。


歩いている人が皆、鳩のイラストが入った黄色い袋を持っているのが気になったので、その理由を探りに豊島屋へ。


きざはし等も試食しましたが、やっぱり定番の鳩サブレー。小町通りの和紙屋さんや刃物屋さん、着物屋さんも見て回る。


閉園15分ほど前に長谷の大仏に到着。正式なライトアップは翌日からだったのだけど、この日も照らされていました。良かった。


鎌倉といえばやっぱりパタゴニア。すごく似合っていたのに、丈がちょっと短いということで気に入らなかったようです。まあ確かに寒いノルウェーでお腹が出ると凍えるかもね(笑)。


鎌倉駅前のスターバックスでちょっと休憩。しかし、僕もエメリーもコーヒーが好きではないので紅茶なんです(笑)。


この後、僕の友達がやっているバー(京浜急行の金沢八景駅すぐ近くの、Flying Pigという小さなお店です。料理も美味しいし雰囲気も良いのでお勧めです。)へ飲みに出かけました。実は二日連続。

楽しく飲んでいたら、見事に終電を逃してしまうことに。「タクシーあるんでしょ? じゃあ、もっとのんびりしようよ」とエメリーは随分あっさり。まあ、その通りですね(笑)。


日本滞在最終日は東京見物。この日の晩に東京に泊まって、翌朝一番に成田空港へ行くことにしたのです。玄関先まで成田空港行きのバスが来てくれるホテルにしたので気楽なもんです。が、日本人の僕でも初めてといえる一日になりました。

背中に巨大なバックパック+胸にもう一つをエメリーは背負ってきたのですが、あまりにも重そうなので、僕の旅行鞄(カート付き)にバックパックを収納して東京まで持っていくことにしました。僕の鞄も超大容量(120リットル)なのに、ピッタリと入るほど。初日に迎えに行った時にはビックリしたよ(笑)。

写真は電車に乗る為に、ちゃんと列に並ぶエメリー。ラッシュ時もこれで秩序が保たれていることに感心していました。


新宿のホテルにチェックインしてから、錦糸町近くの道具屋さんへ向かいます。その前にランチ。日本式のファストフード店だと紹介。注文したのはソースかつ重だったかな。お箸にも慣れてきました。


マルムステン校にいる頃から、道具を注文したりしてお世話になっていた刃物店。エメリーの来日目的の一つでもありました。


色々と木工道具を見せてもらう。最後の一本だった鋸は僕も欲しかったのだけど、エメリーに取られてしまいました。。。この写真は玄翁(げんのう。金槌)の柄の据え方をエメリーが思い出せるように撮りました。上の皮が付いている棒から作るのです。


木工作家の工房へも連れて行ってもらいました。床に座りながら作業するのが、日本古来からの作業なんですよね。


道具を仕入れてご満悦のエメリー。この後、地下鉄に乗って銀座へ移動。


3週間の休暇(長い!)中、それほど大きな街に行っていなかったエメリーなのですが、休暇最終日はメトロポリス東京(メガロポリスでも良いかな)滞在と相成りました。ネオン輝く街(ヨーロッパではまず見かけない。おそらく禁止事項)というのを一度見たかったらしく、随分と喜んでいました。新宿と比べると大したことないけどねと言うと、さらに驚く。


クリスマスのイルミネーション(11月でした)には違和感を覚えるエメリー。僕もそう思っていたことを話すと、どうやらエメリーにとっても酷い物に映るらしい。ヨーロッパでは質素な物が多くて、こういうアメリカ的な派手な照明は見かけませんからね。これも文化の大きな違いでしょう。


スウェーデンのH&M、スペインのZARAに相当する日本のユニクロに行ってみました。似合っているのに、首周りが狭いのが納得いかないらしく購入ならず。昨日は丈が短いのがダメって言っていたのに…なかなか好みが厳しいようです。

ちなみに彼女は、頼んでもいないのにいつも上手にポーズを撮ってくれます。撮る方としては嬉しいですね。


銀座でカフェに入ろうと探すのだけど、路面店(街の喧噪が見える所がご希望だった)が全然見つからない。結局六本木に移動したのだけど、土曜日だからか、どの店も混んでいるので、ここで軽食。


向かいに座っていた女の子が持っていた携帯電話に”カワイイ”と興味津々のエメリー。こんなのがあるなんて知らず、僕も驚きました。これをネタに話しかけて、写真を撮らせてもらう。ついでにエメリーが行きたいスパイダーの居場所も教えてもらいました。六本木は僕がスウェーデンに来てから一気に変貌した街なので全然分からないのです。

どうやらエスカレーターを二つ登ったらすぐに見つかるらしいと判明。


エメリーが見たかった構図。彼女の持っていたガイドブック(ロンリープラネット)に写真が載っていたのです。


記念撮影。この後、ちょっとはぐれそうになる(笑)。こんな所で迷子になったら二度と会えなそうです(笑)。


六本木の森タワー展望台に登る。エメリーにとっては初の大都会の夜景。僕が個展を開催した新宿はどこ? だとか、横浜はあれ? と、感激した模様。


ただし、僕たち二人ともが不満に思った事がありました。展望台にちょっとしたカフェがあるのですが、光を派手に発しているんです。ここは景色を楽しむための展望台のはずなのにです。


分かりやすく言えば、このようにガラスに光が派手に写り込むのです(この写真はまだマシ。実際はもっと酷い)。よほど分かっていない者が企画したんだろうねと呆れました。ただの真っ暗な空間にするだけで、充分素晴らしいと思うんだけどなあ。


銀座を見たのだから、渋谷もぜひ見たいという事でまた移動。エメリーでも街の雰囲気の違いが分かったようです。終電に急ぐ人の流れがすごかったけど、エメリーは楽しそうに撮影。


ここから今度は原宿へ歩いてみることに。街行く人を見たいんだそうです。しかし、恥ずかしながら途中で道が分からなくなる(笑)。通りすがりの人に道を尋ねると、ナンパかと思われ無視される始末。そりゃあ10年ぶりに来れば道にも迷いますよ。。。

この後、新宿に戻ってからパークハイアットの上にあるニューヨークグリルへ。僕も初めて来たのだけど、景色がとんでもなく素晴らしくてビックリ。いや、景色だけなら六本木ヒルズでも、東京タワーでも良いのだろうけど、ゆっくりと座れるのが最高でした。展望台に登って喧噪の中、せわしなく歩き回るのと比べたら、ちょっとくらい高くてもレストランでゆっくりした方が良いですね。

周囲にはフォーマルな服装の人が多い中、僕とエメリーはかなりカジュアルな格好で、さらに二人ともスニーカー(笑)。とはいえ、居心地が良いので、のんびりしちゃいました。最後の晩だったのでカメラは部屋に置いてきてしまったのでここからの景色は撮れませんでした。その分、ゆっくり二人でお喋りをできたので良かったかな。


ということで、まさかの夜遊びで東京お散歩ツアー( 新宿→錦糸町両国近辺→銀座→六本木→渋谷→原宿→新宿)が終了。さすがに疲れました。エメリーは翌朝(いや、その日の朝ですね)一番のバスで成田空港へ。一日の休みの後、仕事へ戻ると言っていましたが、しばらくは時差ボケとか、休みぼけだったみたいです。

あっという間の日本滞在でしたが、新旧色々な日本を見てもらうことができました。次回はもっとゆっくりしてもらいたいですね。

木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!